AKA-博田法とは、「エーケーエー」と読み、Arthro Kinematic Approach(関節運動学的アプローチ)の略で、関節運動学に基づき、関節神経学を考慮して、関節の遊び・関節の滑り等の関節包内運動(関節の中の動き)を治療する方法及び関節面の運動を誘導する方法と定義されています。
AKA-博田法による治療について
まず、治療を受ける場所は、痛みなどの部位にかかわらず仙腸関節(せんちょうかんせつ )という骨盤の関節です。この関節の動きは数ミリ程度であるため、治療者は関節のわずかな動きを感じながらゆっくり治療を行います。そのため殆どの患者様はふれられる程度にしか感じません。治療する関節には動きの異常や炎症があり、その症状は治療関節のまわりだけでなく、はなれた部位にもでることが多々あります。この状態は、レントゲンやMRIなどの検査画像には写らないので、AKA-博田法により直接動きを診て、改善させることで判明します。治療の際、1人の患者さんに要する時間は診断結果や重症度によって異なります。治療頻度は、2~4週に1度が一般的です。あまり頻繁に行うとかえって痛みや状態が悪化する場合があります。
治療を受けるには
必ず、医師の診断と理学療法の処方が必要となります。
AKA-博田法を受けた方へ
治療直後に痛みが改善し、その後数時間して症状がもとに戻ったり、痛みが増すことがあります。これは、治療過程でおこりうることです。当院の医師もしくは理学療法士に遠慮なくご相談ください。
日常生活上の注意点
長時間、同じ姿勢を30分以上続けないこと
運動で痛みをなおそうとしないこと
重いものを持つときは膝を使ってゆっくり持つこと
服装について
手で仙腸関節の微妙な動きを感じとる手技となりますので、スカートや固い生地(デニムなど)のズボンはご遠慮ください。
ボディースーツなどの体を締め付けるものは脱いでいただきます。
受診の際は動きやすい格好でご来院していただくかかジャージなどの着替えをお持ちください。
この治療法は習得が難しく、正しい診断と正確な技術に基づいた治療を行わないと症状を悪化させる場合があります。当院では、日本AKA医学会指導医である理事長と日本AKA医学会理学・作業療法士会の指導者より直接指導を受けた理学療法士が力をあわせて治療を行っております。
日本AKA医学会は1998年より指導医専門医制度を導入しました。指導医専門医資格はAKAの治療技術が一定水準以上に達していると日本AKA医学会が認めた資格です。
2022年7月3日の日本AKA医学会理事会において、「医師のAKAー博田法 標榜等許可基準」が改定され、指導医がA,B,Cの3階級に分けられました。標榜可能な階級は上級指導医、指導医AとBで、Cは標榜できません。
理学・作業療法士会の指導者は指導医に準じてA,B,C,とA代行を設けられています。
2022年における指導医Bの技術評価の結果、下記の様に変更されました。
日本AKA医学会
1.上級指導医
・博田節夫
2.指導医A
・矢倉久嗣
3.指導医B
・伊与木増喜・岡崎達司・岡田征彦・大寺和満・小野誠・小俣昌大・表寛治郎
・片岡裕晶・片田重彦・木檜晃・柴田敏弥・新谷貫之・住田憲祐・住田憲是
・田中忠蔵・田村阿津王・平野裕司・廣田高明・堀司郎・前原洋二
4.指導医C
・上記以外の指導医全員
日本AKA医学会理学・作業療法士会
1.上級指導者
なし
2.指導者A
なし
3.指導者B
指導者全員 当院の杉尾秀一含む
最近、AKAと謳うあん摩やマッサージ師が増えております。臨床標榜が許可されているのは、正規に関節運動学的アプ ローチ(AKA)ー博田法を学び、当医学会の行う試験に合格した専門医、指導医だけです。なお、日本AKA医学会理学・作業療法士会の指導者(インストラクター)も正規の教育と日本AKA医学会理学・作業療法士会の定める試験に合格しており、信頼できる技術を持っています。
当院では指導医1名(前原洋二)指導者1名(杉尾秀一)指導者助手1名(平山英子)認定療法士2名(藏本裕幸・光達健太)が在籍しています。
以前AKA博田法を受け、効果のない患者さんがおられたと思います。最近は日々の研鑽にて技術が向上し、以前症状の改善がなかった方でも治療効果を認めるようになっております。